今年も早くも1ヶ月が経過し、年明けに今年は頑張るぞと思った気合もどこかへ行ってしまい、平凡な生活を送る日々・・・。やる気を持続するにはどうしたら良いかと考えてみると、脳の仕組みを理解してうまく利用できれば良いかも、ということで脳を解明する3冊を紹介します。
食べものは良く噛んで食べなさいとは子供のころに言われることですが、この行為は思考や集中力を増進させる脳内ホルモンを増やす働きもあるとのことです。『沢口教授の暮らしに活かせる脳科学講座』には脳に良いことや、悪いこと、脳力アップの方法などが解説されています。この本によると野球選手などが試合中にガムを噛んだりするのも集中力を高めるには良い方法だということになります。
回転寿司で好みのネタが回ってきた時と、回転しない寿司屋では脳の反応はどう違うのかなど、身近な体験を科学的に分析して、その結果を文系的に説明するのが、『脳でシナジーする科学と社会 回転寿司、パチンコ、そしてキャラクター論まで』。好みのネタが近づくと脳は興奮状態になり、それが連続すると逆に脳が癒されていく。「回る」をキーワードにすると同じような脳の現象が見られるのがパチンコだということです。そのような脳の特性を分析して商品開発に活用するなど、科学的なものを社会に生かす知恵が詰まっています。
お店でお酒を飲んでいたら途中から記憶がなくなり、気付いたら自分の家に帰っていた、そんな経験をお持ちの方も多いかもしれません。どうして記憶がないのに帰れるのか、その不思議とアルコールの効用について説明したのが、『記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか? 身近な酔っ払いに学ぶ脳科学』。実験によると、ほろ酔い気分のときに脳が活性化、しかし飲みすぎると脳が委縮してしまうという結果に。つい飲み過ぎてしまうという方のために、良いお酒の飲み方も解説されています。なお、記憶がなくても帰れるのは、「脳ナビ」というナビゲーションシステムが脳内にあるためということです。 MCL編集部 (ちか)
三冊堂176号 (2015/01/29)