見渡す限りの銀世界。私たちの住むここ北海道十勝地方は、今あたり一面雪で覆われています。雪が降ると、除雪が大変だったり、車の運転が怖くなりますが、時折、自然のつくりだす美しさに目を奪われてしまうことがあります。雪粒が樹木にふきつけられて凍ったものを樹氷と言いますが、この美しさは圧巻です。『おかしなゆき ふしぎなこおり』では、自然の力だけで出来上がった見事な造形美を迫力ある写真で紹介してくれます。冬の日、外へ出かけてみると雪と氷のおかしな形があちこちに見つかります。冷たい空気と水がつくるふしぎな世界―。雪国ならではの美しくもおかしな景色を味わうことができます。小さな頃から雪や氷が好きで、世界中をまわりながら雪や氷を撮影している写真家・片平孝さんの写真絵本です。なるほど!!
雪の結晶に、同一の形は二つとないと聞いたことはありましたが、ひとつひとつ違う『雪の結晶』をじっくりとながめていると、しばし時が経つのも忘れてしまいそう。本書には、典型的な形から珍しい形まで、250点以上の「雪の結晶」写真が掲載されています。息をのむほどの美しい結晶の数々。雪の色は「白」に見えますが、実際には無色透明なんだそうです。さて、自然のつくりだす結晶の美しい輝きを見つけるために、著者がおすすめするスノーウォッチング。手軽でお金がかからず、誰でも楽しめると言います。必要なものは、折りたたみ式ルーペのみ。晴れた冬の日に、スノーウォッチングのガイドに最適なこの本を片手に外に出てみるのも悪くないですね。ただし、上から下までがっちりと防寒してね!!
50年以上もの長い歳月を雪の研究と写真撮影に捧げ、ついには雪の専門家として讃えられるようになった『雪の写真家 ベントレー』。彼の生涯をあたたかい木版画で綴った伝記絵本です。アメリカの豪雪地帯にある小さな農村で生まれたベントレーは、子どもの頃から雪に夢中。17歳の時に、両親から贈られたカメラで雪の撮影をはじめます。家族のあたたかい愛情に支えられ、ひたむきに雪だけを追い続け、生涯を雪に捧げたベントレー。好きなことをとことん追求するベントレーの姿は、今の子ども達にどう映るのでしょうか。MCL編集部 (ふ)