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二十四節季(にじゅうしせっき)の上では夏至が近いのに、太陽の光をめいっぱい浴びることができないのではないかと思う雨続きですね。『暦のからくり』は、今でもカレンダーに書かれている「大安」「一白水星」などの「旧暦」の意味とその歴史を解説しています。一年を24に等分した二十四節季をさらに3等分した「七十二候(しちじゅうにこう)」は、農事の目安とされていたそうです。
七十二候の花暦『花の名前』は、季節の移ろいで愛でることができる植物を日本の詩句と写真で紹介。写真集としても楽しめますが、いにしへの人が自然とともに生活していたことを知る記録として読むこともできます。普段目にする道端の草花に、より身近に季節を感じることができるかもしれません。
「まなづるとダリア」など花にまつわる童話6作品を掲載した『花の童話集』があるように、宮沢賢治の童話にはたくさんの植物が登場します。宮沢賢治の作品を読んだ後、あたりの草花が揺れたり、下を向いたりしているのが、実は草花が話したり泣いたりしているのではないかとその世界に思いを馳せてしまうから不思議です。 MCL編集部 (そ)
三冊堂143号 (2014/06/12)