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千年以上前に書かれた源氏物語は、今現在でも読み継がれている大ベストセラー小説です。今年は、大河で紫式部が取り上げられていることもあり源氏物語を目にする機会も増えています。平安時代に書かれた源氏物語は、ロリコン・マザコン・ルッキズムなど現代の出来事として捉えるなら、受け入れられるだろうかと思われる描写が少なくありません。そんな源氏物語を現代の社会規範を交えて読み解き、現代的な訳をつけた『ミライの源氏物語』。源氏物語の現代語訳が夢という作者が訳す源氏物語を期待しています。
『あさきゆめみし』は、極力登場人物を少なくしてわかりやすいように書かれており、源氏物語の入門編として最適な1冊です。主人公・光源氏を取り巻く平安時代の女性をみると、周囲の男性の意志や思惑によって人生が決まってしまうことが多いなど現代との大きな違いを感じました。
平安時代の膨大な文献から『紫式部と藤原道長』の関係性に迫った本書。筆者は、紫式部は道長の援助と後援がなければ『源氏物語』を書くことができなかったであろうし、道長は紫式部の『源氏物語』がなければ一条天皇を中宮彰子のもとに引き留められていなかったとして、道長の栄華も紫式部と『源氏物語』の賜物であるとしています。 MCL編集部(由)
三冊堂654(2024/04/04)