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絵本の『100万回生きたネコ』の作者、佐野洋子が、漫画家の西原理恵子、イラストレーターのリリー・フランキーと対談する『佐野洋子対談集 人生のきほん』。話題は、絵という共通点はさることながら、恋愛観、人生観など多岐にわたります。読み進めてふと思うのは、佐野さんの発言の頻度。相手から話を引き出す「問い」のセンスに感服し、『100万回生きたネコ』が短い話でありながら、深く長く心にあり続ける理由をおぼろげに感じました。
作家・村上春樹が、心理学者の河合隼雄と頭に浮かんだことをそのまま語り合う『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』。改まった「対談」という形式ではなく、ビールを飲んだり、しょうもない冗談を言い合ったりしながら進めたというには、その内容は奥深く、さながらハイレベルの講義を聞いているかのような気持ちになります。『源氏物語』は物語の作り方、構造が非常に複合的で意識的だとする村上春樹の考察。それに対する河合隼雄の見解が非常に興味深いです
佐々木小次郎と宮本武蔵。金太郎と熊。シャーロック・ホームズと怪盗ルパン。ライバルもしくはパートナー関係にある者同士の架空対談『ライバルともだち』。イラストレーターの和田誠と安西水丸が実際に開催した二人展を元に編まれた本書は、キャラクターの絵と対談が合作された贅沢な作品集。キャラクターになりきって実際にFAXでやり取りをしたという対談は機知に富んでいて、小気味良いです。 MCL編集部(そ)
三冊堂649(2024/02/29)