2024年 (令和6年)
7月17日(水)
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 猫好き司書さんが選ぶ299(にくきゅう)冊の猫本を紹介する『図書館司書30人が選んだ猫の本棚』。猫との出会いから別れまでを時間に沿って、章立てで紹介されています。それぞれの紹介文は、司書ならではの視点が入っているので、読んでいるうちに思わず笑みがこぼれてしまいます。巻末に、書名索引、著者名索引のみならず、書誌一覧が掲載されているのも司書的⁉で、楽しい猫本ブックガイドです。

 ベイマックス、マシュマロマン、白熊・・・。とにかく白くてビッグな図書館司書の小町さんが登場する連作小説『お探し物は図書室まで』。羽鳥コミュニティハウスの中にある図書室に、ふとしたきっかけで訪れた登場人物たちが、レファレンスを担当する小町さんの選書した本と、付録の羊毛フェルトをきっかけに、気持ちを新たに前に進もうと動き出します。2章の登場人物の夢の後押しとなる猫本専門店は、実際の本屋さんがモデルになっているとのこと。いつかは訪れてみたいと心が踊ります。本に、猫、地球、飛行機、蟹・・・。物語を読み終えたあとに、あらためて表紙を見返すと楽しい発見があります。コミュニティハウス周辺の物語なので、5編はどこかしら繋がっていて、登場人物たちの気になるその後が描かれているのも嬉しい一冊です。
 猫好きで有名な村山由佳さんをはじめ、香山リカさん、小池真理子さん、乃南アサさんに谷村志穂さん、そして向田邦子さんまで、ご自身の愛猫について綴ったエッセイ『作家と猫のものがたり』。それぞれの愛猫への思いが溢れる文に惹きつけられます。写真もとても美しく、猫ちゃん達が、とてもいい表情をしているのが印象的です。 MCL編集部(ふ)

三冊堂536(2021/12/30)