2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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 人生100年時代の到来とともにやってくるのは、結婚70年時代。定年後も、夫婦の長い道のりは続いていく。「え~っ‼長すぎる」とため息をついた方におすすめの『定年夫婦のトリセツ』。そもそも、男性脳と女性脳は、違うもの。分かり合えないものとさっさと覚悟を決め、二人ができるだけムカつかないように工夫して生きることが必要であると説く本書。イライラしないためにも「夫婦のトリセツ」は必要です。ポイントさえ、うまくおさえれば大丈夫。これからやってくる最大の難所に立ち向かうべく今から備えておきましょう。

 カメラマンの阿部了さんとライターの阿部直美さん夫妻が、東京でさまざまな商店を営む40組の夫婦の“暮らしと商い”を取材した『東京商店夫婦』。靴屋さんに、和菓子屋さん、ラーメン屋さんに、クリーニング屋さん・・・。あたりを見渡すと、夫婦で一緒に仕事をしている人は案外と多い。「もとは他人」であった夫婦が、互いに協力し合い、尊重し合いながら営む夫婦商店。さまざまな夫婦の形があるから、味わい深い。絶妙な立ち位置の夫婦の写真と、夫婦の人となりがにじみ出てくる文章のタッグに、思わず「阿部商店」と呼びたくなってしまいます。
 二人あわせて171歳。自分流に、ていねいに、ていねいに日々を生きるご夫婦を、一年の歳月をかけて取材した『ききがたり ときをためる暮らし』。山を削った造成地に、丸太小屋を建て、木を植え、土を耕し、自給自足の生活を目指した四半世紀。四季の移り変わりを愉しみ、慈しむ。日々の暮らしをおろそかにしない。足と手を動かすことをいとわず、先の先のことを考えて、前を向いて生きるご夫婦の暮らしぶりは、お金で買うことのできない大切なことに気づかせてくれます。あとがきの〈お金はなくても何かが溢れている“すてきなおばーさん”にならなくてはね〉という英子さんの言葉が心に響く一冊です。 MCL編集部(ふ)

三冊堂527(2021/10/28)