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りんごと言えばおいしい秋の果物ですが、宗教や哲学、美術の世界で象徴的に扱われ、ちょっぴり知的なイメージも持っています。ということで、今回はりんごが登場する、思わず考えを廻らせたくなるような絵本をご紹介します。
家に帰った男の子が見つけた1つのりんご。「……でも……もしかしたらりんごじゃないのかもしれない。」もしかしたら、もしかしたら…と、男の子の頭の中で想像はどんどん広がっていきます。『りんごかもしれない』は目の前のものごとから考えを広げていくことの楽しさに気が付く1冊ではないでしょうか。
まちのなかのくだものやさん。こちらにもりんごが1つ。店先を通る人は、りんごを見て考えたことを思い思いに話していきます。その様子を眺めながら、りんごの方も、この人はどんな人なんだろう?と想像をめぐらせます。同じりんごでも、100人が見れば100通りの見え方がある。『1こでも100このりんご』です。
最後に紹介するのは『おおきな木』。とあるりんごの木にやって来るひとりの男の子。いつも一緒に遊んでいた男の子は成長とともに少しずつ変わっていきます。それでもりんごの木は彼の望むものを与え続け、そのことを「うれしかった」と感じます。りんごの木や男の子はどんなことを思っていたんだろう?その人、その時によって、何通りもの読み方ができるお話です。 MCL編集部(里)
三冊堂520(2021/09/09)