2024年 (令和6年)
7月18日(木)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 書は、ことばと向き合い、自分の心の中でことばを仕上げる作業だと双雲さんは言います。『こころをつよくすることば』では、ひとつのことばとじっくり向き合い、何気ない身近にあることばの意味を再検証していきます。マイナスに捉えがちなことばも、双雲さんにかかると、前向きで素敵なことばに。添えられている書にも、双雲さんのことばに対する前向きな解釈がよく表現されていると感じます。

 ダウン症の書家として活躍する金澤翔子さんの生命力あふれる41の作品に、母であり、書道の師でもある泰子さんのエッセイを添えた作品集『心は天につながっている』。泰子さんの娘に対する愛情と祈りが込められた言葉の数々に胸を打たれます。そして、愛情豊かで、躍動感に満ち溢れている翔子さんの書。ラストの頁に収められた「笑」という文字は、頁を閉じてもなお、私の目に深く焼き付いています。

 「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」詩集を開くと、型にとらわれることなく、力強く書かれた相田みつをさんの書が目に飛び込んできます。彼の紡ぐ言葉と書は、とてもシンプルでありながら、人間くさくて、心の奥底に響きます。きれいごとですまそうとするこちらの心を見透かしたように…。弱い部分は誰にだってあるもの。だってにんげんなんだもの。と、いつの間にか、肩の力がぬけて心が軽くなっていくのを感じます。元気のないとき、力が湧いてこないとき、そんな時にそっと開きたくなる『にんげんだもの』。 MCL編集部(ふ)

三冊堂425(2019/11/07)