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ビジュアルではなく、文章だけでどこまで美味しく感じさせられるのでしょうか。昭和の文豪32名の食に関する文章を集めたエッセイ集の『あさめし・ひるめし・ばんめし』。なぜ彼らの書く文章はこんなにも食欲を誘うのでしょうか?鰯や梅干し、冷や飯など、極普通の食べ物が美味しく感じ、匂いまで伝わってきます。秋の夜長に読むと、お腹が空いてくる1冊です。
段々と寒くなる、寂しくなる秋だから、ほっこりと温かくなれる1冊、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』。路面電車の走るちょっとノスタルジックな街並みと登場人物。大きなことは起こらず、淡々と物語は進みます。登場人物はそれぞれ事情や抱えているものがあるのですが、適当な距離感を取りつつも、無関心ではない程よい付き合い方。そして、一緒に食べる楽しさ。自分も美味しいサンドイッチとスープが食べたくなります。
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり太めの18歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる美味しい著書『和菓子のアン』。思わず笑ってしまうシーンや、ホロリときてしまうシーンなど、幸せな気持ちになれる1冊です。是非ご賞味あれ。 MCL編集部(し)
三冊堂371 (2018/10/25)