2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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 おしゃれ上手さんは、素敵に年を重ねている。まさに、著者の西村玲子さんはそんな人。年代を問わずに多くの方に支持されているのもうなずける。暮らし方や装い方をおしゃれなイラストで紹介するエッセイ集『玲子さんのシニアというエレガンス』。エレガントだけれども、気取らず、自然体。こんなふうに年を重ねていけたら…。憧れます。

 老いは、一様ではないが誰にでもやってくるもの。「最期」もまたしかり。いつかはやってくるそれを素直に受け止め、どんなときも暮らしの中に、小さな楽しみを見つけられるようにと著者は言う。食事や、健康、おしゃれに、人づきあい…。自分の中に、老いが見え始めたとき、自分らしく最期まで気持ちよく過ごす秘訣を伝える『ゆっくり気ままな老いじたく』。着たことのない明るい色を試してみたり、口紅をさして、元気な顔を演出してみたり…。おしゃれ心は、心と体を元気にする魔法!!ささやかな幸せを大切にする心を育てることも老いじたくのひとつだという著者の言葉が心に響く。
 福島の田舎町に住む津田海色(アクアマリン)は、ヨーロッパを舞台とした官能漫画を描く母と2人で暮らす男子高校生。母の職業とその奇抜すぎる名前から、人生を半ば諦めかけていたアクアだが、ある日、通学途中の商店街にある古びた紳士服仕立て屋『テーラー伊三郎』のショーウインドウに飾られた芸術的なコルセット(コール・バレネ)に心を奪われる。製作者の伊三郎(83歳)との出会いにより、詳しすぎるほどの服飾の知識を持つアクアの生活は一変。コール・バレネを軸とした店作りに奮闘する二人。理解のない商工会と対立を深めるが、周囲の協力により、物語は大きく動き始める。なかでも、コール・バレネを独創的に着こなす商店街のおばあちゃん達がチャーミング!いくつになっても、着飾ることは心を晴れやかにするのだと感じる。 MCL編集部(ふ)

三冊堂363 (2018/08/30)