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4月23日から明日の5月12日までは、「こどもの読書週間」です。子どもたちにもっと本を!との願いから、1959年(昭和34年)から始まった取り組み。大人が本を子どもに手わたす週間でもあります。
お父さんの仕事が忙しく、夏休み中に何処へも出かけられないトミーは、近所の人の”はちうえ”を預かり世話をするというアルバイトを始めます。はちうえは、水やりと日当たりに気をつけることですくすく育ちますが、家の中はまるでジャングル。ただ世話をするだけではいけないと思ったトミーは、図書館で本を借り、本に書かれたとおりに世話をします。柔らかな気持ちになる結末。そして、図書館で知りたいことを調べる、というシーンが何とも嬉しい『はちうえはぼくにまかせて』。
春は、植物以外にもたくさんの命が芽吹きます。幸せを運ぶといわれるテントウムシ。その重さは何と切手1枚分なのだとか。昆虫図鑑には重さが書かれていないということに気づいた著者が、電子天秤を使い1200種類以上の昆虫の体重測定をした『昆虫の体重測定』。カブトムシは、幼虫のときは30グラムあるのに、成虫になるとその体重は10グラムになるのだそうです。成長するにつれ軽くなるというのは、面白い事実です。
日差しが届かない土の中にも、命のドラマがあります。北海道に生息する小さなしまりすが地面の穴から顔を出すのは、雪解けの4月。春が訪れたことを知るのは、暖かな陽の光ではなく、冬ごもりをするために蓄えたどんぐりがわずかになったからなのだそうです。たくましく生きる小さなしまりすの一年を、躍動感ある版画絵で描いた『かしこくいきるしまりす』。本は、どんなことでも教えてくれます。 MCL編集部(そ)
三冊堂295 (2017/05/11)