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最近「へたうまな絵」とよく耳にしますが、『日本の素朴絵』に掲載されている絵は、決して上手いといえる絵ではありません。室町時代の御伽草子にみる作品や、禅画などの古くから日本の庶民に親しまれていた素朴な絵の数々。思わず吹き出しそうになる衝撃なものや、子供が描いたような微笑ましいものまで、笑顔になること間違いなしの絵がかたどられています。
身の周りの日用品などのかたちに焦点を充てた写真集『Katachi:日本のかたち』。モノクロ写真で切り取ることにより、モノのかたちの美しさが際立っています。表紙の美しい三膳の竹箸も、よ~く見ると幅や先端の角度が異なっていることに気付きます。用途に合わせて洗練されてきた様式美を堪能できる一冊。
日本では、飯椀、箸、湯呑をほとんどの家庭で銘々が専用しています。世界では特異なことなのだそうです。民俗学者である著者が日本の食事と食器文化を丹念に検証した『「うつわ」を食らう:日本人と食事の文化』。当たり前の日常の動作として、私たちは飯椀を持ち上げ、箸で米を口へ運ぶ作法の型が身に付いています。ここに至った背景とは?近隣アジアとの文化の比較を通し、日本特有の文化に迫ります。 MCL編集部(は)
三冊堂261 (2016/09/15)