2024年 (令和6年)
11月23日(土)
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 『ルピナスさん』は小さなおばあさんですが、むかしからおばあさんだったわけではありません。彼女は小さな頃おじいさんと3つの約束をします。大きくなったら遠い国に行くこと。おばあさんになったら海のそばの町に住むこと。そしてもうひとつ、世の中をもっと美しくすること。そのために彼女がしたこととは?今はまだわからなくても、きっといつか私にもわかる日がくるはずと思わせてくれます。 

 経営していた会社は潰れ、妻にも見放された城所安男、40歳。母の心臓病の手術のため、ワゴン車に母を乗せて100マイルの道のりを走ることになる『天国までの百マイル』。頼りない安男を同居人のマリなど周りの女性たちが支えています。気になるのは、2年間安男を愛し支え続けたマリ。彼女はいまどうしているのだろう…。
 定年って生前葬だな。仕事一筋だった田代壮介は、定年を迎え途方に暮れます。『終わった人』になりきれない壮介は、スポーツジムやカルチャーセンターに通い始めます。ジムで知り合った社長の急死から、その会社を経営することになるものの、負債を抱え自らの財産まで失います。夫婦関係もギクシャクし、家に幽閉される壮介。夫婦が最後に選んだ道は…。散る桜残る桜も散る桜。良寛和尚の辞世の句が印象に残ります。 MCL編集部(士)

三冊堂245 (2016/06/02)