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賞を受賞するほどの気鋭の民俗学者から、介護の世界へと転身した異色の経歴を持つ著者。「介護民俗学」とは著者の造語。介護現場では、利用者と介護スタッフとの関係は、介護される側と介護する側という関係に固定化されてしまうのが現状だと著者は述べます。そこへ、民俗学の調査方法である「聞き書き」を介護現場に取り入れることにより、その特徴である語り手と聞き手の関係性の視点で向き合うことで、利用者は「語り手」となり、介護者は「教えを受ける」調査者という立場になります。『介護民俗学へようこそ!』は、「老い」を対処すべき課題とだけ捉えるのではない、「老い」の価値を見つめ直す一冊です。
『想い出かたり』は、目で見る回想法として活用できる一冊です。めんこをたくさん抱えるはなたれ小僧、おかっぱ頭の女の子、洗濯板とタライでゴシゴシ。懐かしい写真でタイムスリップ。昔話、苦労話、自慢話に花が咲く-。“回想法旅芸人”を名乗る医師が、昔の写真を見ながら感想や想い出を語り合うコミュニケーション術を紹介しています。介護現場に限らず、異なる世代間でのコミュニケーション方法が見つかるかもしれません。
『くらべる100年「もの」がたり』は、100年前と現在のくらしの様子を比べた1冊。時代ごとの家庭の道具の変化が、カラー写真とイラストで分かりやすく解説されています。100年前というと、1915(大正4)年です。そうじ道具、暖房器具、照明器具などがクイズ形式にもなっているので、家族や友達で楽しく考えながら昔を想い起こせる一冊です。 MCL編集部(は)
三冊堂217号 (2015/11/12)