2024年 (令和6年)
6月16日(日)
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 爽やかな心地よい秋の風が感じられる季節となりましたね。こんな季節は、なんだか面白い本が読みたくなってきます。芸能界きっての読書家として知られた児玉清さんの『ひたすら面白い小説が読みたくて』では、ミステリーや、時代物、現代小説などの多彩なジャンルの小説を紹介しています。児玉さんの解説は、どれも作品への愛にあふれていて、「読みたい!」という気持ちにさせてくれます。本当におすすめしている小説は、ベタ褒めで、読んでいて気持ちよくなるくらい。傑作を読んでいないのはもったいないこと―解説を読んでいると、児玉さんの声がきこえてきそうな気がします。

 父に作家・池澤夏樹、祖父に作家・福永武彦を持つという著者・池澤春菜の『乙女の読書道』自他ともに認める重度の活字中毒というだけあって、お休みの日ともなると、傍らに本を積み上げて(まさに、積読!)食事を取る間も惜しんで、活字の世界にひたすら没頭。そんな著者の書評からは、「本が好き!」という思いがぐいぐいと伝わってきます。本屋さんで初心者への入り口となるようなセレクションでSFコーナーの棚を作ってみたいという著者。SFが苦手という人も彼女の書評を読めば、手に取ってみたくなること請け合いです。
 ウェブ雑誌「平日開店ミシマガジン」の「今日の一冊」に協力いただいた書店員さんを中心に、新たに「どうしても届けたい一冊」を選書してもらい、紹介文をのせた『THE BOOKS 365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』。どの紹介文にも、書店員さんの直筆の手書きキャッチコピーがそえられていて、ページをパラパラめくるだけでも嬉しくなってしまいます。書店員さんの“体温”が感じられる365冊。「面白い本をたくさんの人に届けたい」という編集者の熱意も伝わってきます。どこから開いても楽しめる一冊です。 MCL編集部 (ふ)

三冊堂155号 (2014/09/04)