2024年 (令和6年)
4月19日(金)
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午前10:00から
午後 6:00まで

月5回くらいおとずれる学童保育センターで、出会った子供さんの一人、 小学1年生のマーくんが、「こんだ(こんど)、まーくんが先生にお話してあげるからね」と思ってもいなかった出来事が起こりました。
私の今一番のキラキラです。

【マーくんの目は キラキラ】

ちょっぴりいたずらっ子のマーくん。工作、クイズ、お話、ダジャレが好きな小学1年生の男の子。マーくんは一人っ子。両親が働いているので、放課後、学童保育センターに通っている。いつもキラキラ目のマーくんも、時には機嫌が悪い事が有る。そんな時は ほんのちょっとした事で大変身!近くにある物も人も大迷惑!あちらこちらに投げられ、ポカポカたたかれるから、たまらない!先生もお手上げの怪獣になる。そんな彼にもプライドが有る。マーくんは1年生だ。「マーくん駄々っ子のあかちゃんみたいよ!いやな事が有ったらちゃんと言葉で言てくれなきゃ、マーくんの気持ちが分からないなー」というと、暴れる力にひるみが出る。そしてしばらくすると、いつものマーくんに戻る。理由を聞いて言葉で確認。ちょっぴり照れながら、一緒に後片付けをしたり謝ったり・・。「先生、くす玉作ろう」と工作の本を持ってくる。

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【お昼寝が嫌い 夏休み】

学童保育センターの夏休みは1日が長い。お弁当、宿題、お昼寝用のバスタオル2枚、枕、を持参の子供さんたち。午前中の涼しいうちに、宿題、読書、けん玉、それから自由な遊び、お腹がすいてお弁当、そして、食後のお昼寝。簡単に眠りにつく子がいるが、そうでない子もいる。マーくんは 訴えてくる。「先生、僕お昼寝が嫌い」「無理してお昼寝しなくてもいいのよ」と答えるとほかの子たちと、「ほっ」とした様子。「でも、眠っているお友達がいるから静かにしてあげようね。聞きたい人は先生のお話し聞いてみる?」と私、「怖いお話がいい」「怖いの嫌―」と子供さんたち、「しー、静かに。むかしむかし・・・」。

「洟垂れ小僧さん」「ぬか餅と地蔵さん」「鳥のみ爺」「おむすびころりん」「ついでにぺろり」「ほればあさん」「夜鷹にされた兄弟」「なべがみのいかり」・・・。学童に行ったときは、毎回違うお話をした。まーくんは、お話の途中で寝てしまう日も稀にあった。

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【マーくんの お話し会】

子供さんたちは、遊んでいる時は勿論、おやつを食べている時でも、「先生、お話して」と催促をしてくれる。「おやつが終わってからしようか?」と答えると「アナンシと五がいい」「リンゴジュースが飲みたいのがいい」「違うのがいい」とリクエストが入る。おやつ後にお話を聞きたい子が集まったので、「アナンシと五」と「だんごどっこいしょ」の2話をし終えた。と、マーくんが、「こんだ(こんど)、マーくんが先生にお話してあげるからね」とにこにこして即興で語り始めた。    

『むかしむかし、あるところに一人の男の子がいました。男の子はりんごが食べたかったので、りんごの木がいっぱい有るりんごの山を登って行きました。そして、木からりんごを取って食べようとしたら、りんごはポトリと落ちてコロコロ転がって行ってしまいました。男の子が追いかけていくと、りんごは、コロコロ転がって穴の中に落っこちてしまいました。男の子はりんごが食べられなかったのでしょんぼりしてしまいした。 男の子は、今度は隣の みかんの木が いっぱい有るみかんの山へ行きました。そしてみかんを食べようとしたら、みかんもポトリと落ちてコロコロ転がって穴の中に落っこちてしまいました。男の子はみかんも食べられなかったのでしょんぼりしてしまいした。男の子は、今度はまた隣の ぶどうの木がいっぱい有るぶどうのやまへいきました。・・・繰り返して、桃の木の山、なしの木の山、へ行きました。

男の子は、どの山でも食べられなかったので、初めのりんごの山へまた行きました。そして今度は、りんごの木に登って、木からりんごを一つ取って、食べました。今度は食べれました。良かったですね。おしまい。

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思いがけない、マーくんのおはなしに耳を傾けながら、とっても素敵なキラキラなひと時を心から受け取りました。

文/まぶさ(カニ カニ)