2024年 (令和6年)
11月21日(木)
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 子どもの頃は市販のお菓子を好んで食べていたが、母親が用意してくれたおやつも大好きだった。ホットケーキミックスで作った蒸しパン、ハウス食品の「プリンミクス」や「ゼリエース」(メロン味が好き)で作ったプリンとゼリー、ふかしいも、牛乳寒天が入ったフルーツポンチ、干しイモ、あんぽ柿など、決して豪華ではなくあまり手間がかからないものが多かったが、その季節でしか食べられないものをおやつで出してくれたので、それぞれの季節が来ると必ず食べたくなる。

 そして、時々無性に食べたくなる2大お菓子がある。 それは三星の「よいとまけ」と菓子處大丸の「ほっちゃれ」である。

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 苫小牧を代表する銘菓「よいとまけ」 写真提供:株式会社 三星
 http://yoitomake.jp/yoitomake.html

 三星は苫小牧市にある菓子店で主にハスカップを使ったお菓子を製造・販売しており、「よいとまけ」は昭和28(1953)年に発売された三星を代表する菓子である。ご存じの方もいると思うが、ロールカステラの内側と外側にたっぷりとハスカップジャムが塗られているとっても甘い菓子。 外側はオブラートでくるまれているのでジャムのべたつきはないのだが、ちと切り分けしずらいのが難点だった。現在は食べやすいようにカットされた状態で販売されているようだが、切り分けずらいところが「よいとまけ」の魅力であるように思う。甘さ控え目の現代にしてはとっても甘い「よいとまけ」ではあるが、あの強い甘さとハスカップの酸味がなんともいえなくて、無性に食べたくなる衝動にかられる。

 ちなみに「よいとまけ」は、苫小牧市内にある製紙工場の貯木場から聞こえる、丸太積みをする時に働く人たちが発する「よいとまけ」という掛け声から商品名がきているそう。

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 もうひとつの「ほっちゃれ」は、昭和30年代に製造・販売された北見市にある菓子處大丸の商品。北海道名物のサケをカステラ饅頭にした北見銘菓の一つ。柔らかいカステラ生地の中にほど良い甘さのこしあんが入っていて、食べた時のほっこりする食感と絶妙な甘さが「ほっちゃれ」のおいしさを忘れられなくさせる。「ほっちゃれ」の意味は、海から川へ体を傷つけながら遡上してきたサケが産卵を終え、力尽きて脂身がなくなってヨレヨレになった状態のことをいう。そんなサケは捨てるしかないため「ほっちゃれ」(放る)からきている。

 この二品のことを書いていると、やっぱり食べたくなってしまう。
 舌と脳にある「おいしい」という記憶がそうさせるのだろう。 だから、甘いお菓子はやめられない。万歳!お菓子、ビバ!お菓子。

文/まぶさ(SHUU)

参考資料:
・『ほっかいどうお菓子グラフィティー』
 (塚田敏信・著/亜璃西社/2012)

写真提供:
・株式会社 三星 http://yoitomake.jp/