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1982年のこの日、東京永田町のホテルニュージャパンで火災事故が起き、33名の死者を出した。
本書は、捜査一課長として現場指揮した著者・田宮榮一が昭和57年3月から翌年8月までの間に、捜査本部を設置した事件を取り上げ、捜査現場の裏側を書き綴る。特に印象深いのは、ホテルニュージャパン火災での著者と記者たちとの駆け引きである。捜査も大詰めを迎えた寒い晩のこと。詰めかけていた記者たちにとん汁が振る舞われた。記者たちの取材時間は各社５分であったが、その大半の時間をアツアツのとん汁を腹におさめるために費やし、捜査状況についての話はほとんど聞けなかったのだとか。経営陣らが逮捕されたのは、なんとその翌日。朝刊で「今日、逮捕」と予測できた新聞はなかったという。ホテルニュージャパン火災の翌日には、羽田沖日航機墜落事件が起き、この２つの事件がこの年の重大ニュースのトップを占めた。 ＭＣＬ編集部（ふ）
今日の一冊1141 (2016/02/08)
