2026年 (令和8年)
10月6日(火)
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 大阪のとある廃ビルで、ひとりの質屋が殺された。疑わしい人物は次々と浮上するものの、どれも証拠不十分。更に容疑者が死亡したことで、事件は迷宮入りする。その後、死んだ容疑者の娘・雪穂と被害者である質屋の息子・亮司の周辺では、絶えず不可解な事件が起こり続け……あの日、廃ビルで一体何が起きたのか。ドラマや映画にもなった東野圭吾の『白夜行』。文庫版で860ページと大ボリュームですが、先の読めない展開にページをめくる手が止まらなくなります。

 日々の孤独と苛立ちが重なり、隣家に住む6歳のレミを衝動的に殴り殺してしまった12歳のアントワーヌ。動揺した彼は死体を森の奥の洞窟へと放り込むが、レミの失踪はやがて警察やマスコミも駆けつける騒ぎに発展する。しかしレミの死から三日後、アントワーヌ達の暮らす地域は災害級の暴風雨に見舞われ……子どもの頃に犯した取り返しのつかない罪と、その後も続いていく人生。『僕が死んだあの森』は、始まりから終わりまで息が詰まりそうな閉塞感が漂う一冊です。
 コロナ禍の真っ只中、60代の女が監禁と暴行の容疑で逮捕された。その女─吉川黄美子は裁判を目前に控えても、黙秘を貫いているという。ニュースを見た花は、20年ほど前に黄美子の元で暮らした数年間を思い返していた。家出同然で母の友人だった黄美子の元へ転がり込んだ花は、彼女の経営するスナックを手伝いながら、自分と同じく行き場のない少女たちと共に暮らし始める。全てが順調に思えた矢先、店が火災によって焼失。彼女たちは生きていくために、超えてはならない一線を超える……歪なバランスで成り立っていた疑似家族と、その崩壊を描いた『黄色い家』。今回は主人公が罪を犯す、という共通点で三冊選びました。 MCL編集部(小)

三冊堂782(2026/09/17)


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