[BookShelf Image]:6918
梅雨に入り田畑の緑が濃くなるこの時期は「半夏生」といわれます。関西地方では半夏生に蛸を食べる習慣がありますが、蛸の足のように稲がしっかりと根を張り、豊かに成長することを願う、田植え後の伝統的な風習の名残とも言われているそうです。蛸にちなんだ一冊目は『パンダのたこやきやさん』。関西の蛸といえば「たこやき」。一家に一台たこ焼き器がある家も多く、子供の頃から焼く経験を重ね、独自のこだわりを持つ子が育ち、鉄板上ではバトルも繰り広げられます。
二冊目は、おでんたちが集まる銭湯が舞台の『おでんせんとう』。「おでん」の蛸も欠かせません。プリっと煮えた蛸はお出汁がしみてさらに味わい深くなります。生まれ故郷のお出汁の風味を思い起こしながら、大根やこんにゃくなど異なる食感を楽しめるおでんは、日本人ならではの味わいと魅力があります。
最後に、大人向きな味わいの「蛸めし」が登場する一冊『おでかけ料理人 佐菜とおばあさまの物語』。瀬戸内地方では鯛めしと並んで人気ですが、より敷居が低く、けれどほんのり赤く染まった蛸めしが食卓に並べば、家族の笑顔がこぼれます。こちらを読むと、舌で脳でその味わいがよみがえり、じゅわっと唾が溢れます。間違いなくお腹が空いてくる三冊です。 MCL編集部(わ)
三冊堂770(2026/06/25)


