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何年も人が住んでいない一軒の家。そこの広間にはかべいっぱいに大きなかがみがかかっていました。ぼんやりと過ごしていたある日、家に若い夫婦が引っ越してきます。やがて、二人の間に赤ちゃんが生まれると、ぴかりぴかりと光りながらその子を見守っていき…。一人の少女の成長を鏡の視点から描く『かがみとチコリ』。子どものころに感じた「家」の持つやさしさに満ちた、ちょっぴり切ない一冊です。
小さな丘の上に立つ古い家。入れ替わり立ち代わり、ここで生活を営んできた住人が語る連作短編小説『私の家では何も起こらない』。過去と現在、この世とあの世、すべてが曖昧な夕暮れのポーチに座れば、ふと何かの気配がよぎる。無意識に浮上する記憶はじっとりと薄暗く、どこか耽美。あなたは不気味と思うでしょうか?それでも私は、この家に惹かれて住まう一人なのです。
「食う寝るところ」と言うように、家と食事は切っても切り離せないもの。その食事を作る台所もまた、生活の中心となることでしょう。建築家である著者がこれまで手がけて来た台所を、写真や図面、実際の食事の様子とともに綴った『中村好文百戦錬磨の台所』。使い込まれたコンロ、雑多な様すら絵になる調理器具たち。緻密な計算の元で設計された用の美と、そこで送られた生活が生み出した、世界でたった一つの愛しい風景の記録。 MCL編集部(里)
三冊堂765(2026/05/21)


