ほらアレ、なんだっけ、アレ。ふとした時におとずれるど忘れ。アレだった?いや、違うか?曖昧な記憶。あんなに一生懸命覚えたのに、やらなくなった瞬間忘却の彼方へ……。『物忘れと記憶の科学』では人というのはどのように記憶し、なぜ忘れるのかというところから、思い出はなぜ美しいのか、AIと記憶の関係等、記憶に関する様々なことを図も用いてわかりやすく解説してくれます。本書の中では『子ども時代の記憶ほど忘れない!』というトピックがありますが、あの日夢中になって読んだ本のタイトルが思い出せない、わからない、ということは間々あります。
『こちら本の探偵です』は、 “子どもの本の探偵”赤木かん子さんが日本全国から寄せられた曖昧で断片的な記憶を頼りに、昔読んだ思い出の児童書を探す奮闘記。同じ本でも見た目や手触り、内容など、覚えている部分も人によって様々。この本は1980年代の話を2005年に文庫化したものなので本を取り巻く状況もいろいろと変わっており、現在では当たり前に使える方法も登場しません。人の記憶と記録を総動員して思い出せないあれこれを掘り起こしていきます。
思い出せないと気が付いてしまったら思い出したいと考えるものではないかと思うのですが、なんかよく覚えていないけれどもそうだった気がする、位の感じで楽しく暮らす一家の物語があります。その名も『うろおぼえ一家のおかいもの』。そもそも買い物に行くつもりだったのかもあやふや。それでもお父さん、お兄さん、弟、妹は買い物へ、おかあさんは多分家出することがあるからとお留守番。家を出た瞬間に目的を忘れる一家。何を買うつもりだったのかも思い出せない。それでも多分アレだよ、コレだよとお買い物をする一家。果たしてお買い物の結果は……。シリーズものですので他のうろおぼえ具合もぜひ。 MCL編集部(綾)
三冊堂763(2026/05/07)


