日本では2025年3月に公開されたミュージカル映画「ウィキッド ふたりの魔女」は、『オズの魔法使い』に登場する「悪い魔女」が何故「悪」と呼ばれるようになってしまったのかを描くミュージカルが原作です。この作品だけでも楽しめるストーリーですが、原典である「オズの魔法使い」を知った上で観に行くと、より物語の解像度が上がります。映画とミュージカルは「オズの~」の終盤、ドロシーが悪い魔女をバケツの水で溶かした後の場面から物語が始まります。そこに至るまでのドロシーの冒険も、観に行く前におさらいしてみませんか。
ロアルド・ダールの『マチルダはちいさな大天才』は、日本では「マチルダ」のタイトルで2023年にミュージカルとして上演されました。ミュージカル版を元にした映画も公開されています。5歳にして図書館の本を全部読みつくしてしまうほど優れた頭脳を持つマチルダは、両親から愛されずに孤独な日々を送っていました。そんなマチルダも学校に入学する日を迎えますが、その学校は校長トランチブルによる理不尽な規則や恐ろしい体罰で支配された、監獄のような場所だったのです。しかしマチルダは持ち前の正義感と卓越した頭脳でトランチブルに立ち向かい……どんな逆境にもめげないマチルダから勇気をもらえる、痛快なお話です。
ミュージカル映画の名作である「サウンド・オブ・ミュージック」は今年で映画の公開から60周年。「ドレミの歌」や「私のお気に入り」など誰もが一度は必ず耳にしたことのある名曲が数多く登場する人気作ですが、主人公のマリアは実在した女性で、彼女の実体験がストーリーの元となっています。『サウンド・オブ・ミュージック:トラップ一家の物語』は映画の内容を踏襲しつつ、史実に基づいてマリアの半生を追った一冊です。厳格な修道院で問題児扱いされていたマリアはある日、海軍のトラップ男爵一家の子どもたちの家庭教師をするよう院長から告げられます。音楽を愛する明るいマリアに子どもたちは次第に心を開き、やがて一家の父であるトラップ男爵と恋に落ちたマリアは彼と結婚します。しかしそんな幸せな一家に戦争の影が近付き… MCL編集部(小)
三冊堂707(2025/04/10)