いる？いない？

　まだ暑い時期、こんな怖いお話はいかがですか。おばあさんの家で暮らすことになったぼく。おばあさんの家はとても古い日本家屋で梁がむき出しになっている。ある日、ぼくは梁の近くに男の顔が見えることに気がつく。『いるの　いないの』？おばあさんは、「見ないから　いるか　いないか　わからない」というけれど・・・

　身近で起こった事件をきっかけに心を閉ざしてしまった主人公“おちか”が、「黒白の間」で様々な人々の怪異な話しを聞き集めていくうちに、自らの内なる罪に向き合う『おそろし』。心に少しの隙があったばかりに奇怪な世界を見ることになった江戸の人々が語る　宮部みゆきさんの変わり百物語の一冊目です。
　借金で首がまわらなくなった男を拾ってくれた社長が命じた仕事は、うなぎ養殖業者への配送の仕事。密かにそこへ運び込まれる冷凍の箱、そして「いけす」でのうなぎの群れ。果たして箱の中身は？次への展開が気になる『うなぎ鬼』。ー鬼なるか人なるかー鳥肌が立つミステリーです。　ＭＣＬ編集部（由）

三冊堂623（2023/08/31）