今日、私たちが当たり前のように知っている科学的理論や発見、発明の裏では、実は多くの女性科学者が活躍してきました。私ごとですが、最近、遺伝学にまつわる本を読み、遺伝について最大級の発見をしたバーバラ・マクリントックを知りました。またアポロ計画についての本を読む中で、この計画の成功に多大な貢献をしたキャサリン・ジョンソンを知りました。『世界を変えた50人の女性科学者たち』は、古代から現代まで、世界を変えるような偉業をなしとげたトップクラスの女性科学者50人(+α)を紹介しています。私たちがその功績を知っておきたい女性科学者はたくさんいるのです。
マララ・ユスフザイ。このパキスタン出身の女性を今や世界中の人が知っています。10歳の普通の女の子だった彼女の住むまちに忍び寄ってきたタリバンの影。その侵攻に怯え傷つきながらも、父に導かれ母に支えられ彼女は声を大きくしていくます。「女の子に、子供たちに学校に通う権利を!」。やがてタリバンの襲撃を受け生死の境をさまよい故郷から遠く離れることとなりますが、「わたしの夢は銃では撃てない!」と強い信念を持ち続け、史上最年少でノーベル平和賞を受賞した少女が若い読者に語りかける『マララ 』。彼女には芯の強いイメージが先行しますが、本書で描かれているのは、どこにでもいそうな等身大の女の子がふりしぼった勇気です。23歳になった彼女は、先ごろオックスフォード大学を卒業したそうです。
初音ミクは、年齢16歳、身長158cm、体重42㎏、得意なジャンルはアイドルポップスとダンス系ポップス…という設定の音声合成システム「VOCALOID」のボーカル音源であり、そのキャラクターです。2007年8月に登場し、さまざまな側面から語られてきたボーカロイドソフト「初音ミク」の存在を音楽の歴史における「サード・サマー・オブ・ラブ」と位置づけ、21世紀の新しい音楽のあり方を論考する『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』。「初音ミク」の先にはどんな未来が開けるか探った一冊です。 MCL編集部(吾)
三冊堂462(2020/07/23)