2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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午後 6:00まで

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 カメラマンであり、自身も3児の母である著者が撮影した妊娠・出産をめぐる6つの『うまれるものがたり』。それぞれの家族にそれぞれの出産のかたちがある。それは尊くて特別なことのようにも感じられるが、日常の延長線上にあることであり、時には厳しい現実と向き合わなければならないこともある。それぞれの覚悟の出産。命とは。家族とは。いろいろなことを考えながらページをめくる。“覚悟”を決めたお母さんの顔は、とてもとても美しかった。

 一人目は自然分娩で、二人目は助産院。そして三人目はついに自宅出産。三回の出産立ち会いを経験した絵本作家・長谷川義史さんの出産絵日記絵本『うん このあかちゃん』。立ち会った経験がそのまま絵日記になっているので、出産の状況がリアルに伝わってくる。二人、三人と家族が増えていき、その時々の長谷川家の出産の様子に泣き笑い。赤ちゃんが出てくるときのちょっと見える頭の髪の毛がかわいいのだとか。こんな絵日記があったら、一生の宝物だなと思える。

 赤ん坊が一歳になるまでの親と子の毎日を綴った『母ではなくて、親になる』。“赤ちゃん”ではなく、“赤ん坊”。性別については、赤ん坊側のプライバシーのような気がするので、書かない。タイトルにあるとおり、「母親だから」「女性だから」という考えを持たない著者の視点は、今まで自分がどこか頭の片隅で感じていた違和感を拭い去り、とても風通しがよくなっていくのを感じる。著者が心を開いて書いたこのエッセイ。著者のあとがきにもあるように、「育児者同士がつながる」のではなくて、「育児に関係ない生活をしている人」も面白く読めるエッセイとなっている。母ではなくて、親に…。 MCL編集部(ふ)

三冊堂446(2020/04/02)