2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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 幼い頃に読んだ本を、何十年ぶりかに読み返した時、絵やことばの記憶が鮮明に蘇ってくることがあります。時を越えた感動を体感した時、改めて本の力を感じます。そんな思い出の本をご紹介。小さなお花屋さんのこまったさんが、毎回ふしぎな世界に迷い込み、料理をするお話シリーズ。『こまったさんのスパゲティ』で、スパゲティを作りながら何度も繰り返しでてくる音「ボンゴレ ボンゴレ コントンノ」。繰り返し読んだ楽しい音は、鮮明に記憶に残っていたことに驚いたの一冊。

 絵本「スーホの白い馬」の作画でも知られる著者。『おおきなおおきなおいも』は、絵のタッチがゆるくかわいらしい絵本。雨で、いもほりえんそくに行けなくなった幼稚園児達が、想像力を膨らませておおきなおおきなおいもの絵をみんなで描きます。おいもをたくさん食べた子どもたちは、オナラで空へ飛び上がって行くユーモラスな展開。書名も著者も思い出せず、記憶の断片からやっと探し当てた本。もう一度出会えた時の感動が大きく、絵の記憶は細部まで鮮明に蘇ることを教わりました。

 たくさんの動物と一緒に住んでいるリゼッテおばあちゃん。おばあちゃんの76歳のたんじょうびをお祝いするため、動物たちはケーキを作ります。失敗しながらも精一杯おばあちゃんを思う優しさに溢れた内容。内容は鮮明に覚えてはいなかったものの、表紙の記憶から、昔自宅にあったことを思い出し手に取った『たんじょうび』。温かい物語を与えてくれた親に改めて感謝の念が湧き上がった絵本です。 MCL編集部(は)

三冊堂435(2020/01/16)