2024年 (令和6年)
11月24日(日)
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 古田織部を師にもつ茶人・小堀遠州は、利休の世界に”綺麗”という感覚を加え”綺麗さび”を大成した人物。小堀遠州を流祖とする大名茶道、遠州茶道宗家の十三世家元である著者が、日本人が古来大切にしてきた、みる、きく、かぐ、あじわう、ふれるという「五感」に基づく美意識を、茶道の視点からひもといた『日本の五感 小堀遠州の美意識に学ぶ』。”綺麗さび”とは、対極の価値を受け入れることで生まれる美意識である、多重性ある「デュアルスタンダード」そのものであるのだとか。茶の道を通しての日本の文化を垣間見れます。

 かつてミュンヘンのイギリス公園にあった日本茶室「閑松庵」は、1972年のミュンヘンオリンピックを機に裏千家から寄贈されたもので、地元のみならず観光客からも人気のある名所の一つとなっているそうです。ケンペルやシーボルトによって、ドイツに日本についての正確な知識がもたらされ、また、日本は近代化を成し遂げるためにお雇い外国人を大量に招くことで日本が少しずつドイツ及び西洋に紹介されることになり、第二次世界大戦以後には日本とドイツの交流が一般的に広く本格的に行われることになりました。第二次世界大戦以後から今日まで、日本の文化がどのようにドイツに受容されているかを説いた『ドイツに渡った日本文化』は、漫画やアニメなどの現代文化から、茶道や花道などの伝統的文化まで、ドイツに伝来した様々な分野の日本文化が歴史的背景とともに紹介されています。
 500年続く虎屋十七代と180年続くエルメス本社の全副社長とが、会社とは何か、働くことの意義とは何か、そして会社が長く続く理由など、今後の日本にヒントともなる事柄について語った対談『老舗の流儀 虎屋とエルメス』。エルメスのライバルを強いてあげるのならば虎屋、というのには驚きです。守るべきもの、破っていくのが必要なこと。その良い塩梅が必要になってくるのかもしれません。 MCL編集部(そ)

三冊堂375(2018/11/22)