10月8日の皆既月食を見て「やっぱり月って魅力的!」と思った方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、月が魅力的に登場する3冊をご紹介します。まずは『不思議で美しい空の色彩図鑑』で写真を眺めながら皆既月食を思い返します。皆既月食の赤胴色は地球の大気の赤い輝きが月に届いたものなのだとか。黄色い雲や青い雲、白い虹、月光虹などちょっと不思議な空の景色から昼間の太陽や青空などいつも目にする景色まで観察のヒントが満載です。赤い月を見るには満月の前に夜明け前の西の空を探すか、満月の後に夜になった東の空に目を向けると良いのだそうです。そして日本で次に皆既月食が見られるのは2015年4月4日だそうです。
夜に起こる様々なことが「実はお月様のお仕事です」と教えてくれる絵本が『おつきさまは、よる、なにをしているの?』です。夜空にお星さまがたくさんあるのも、雲や霧がなくなっていくのも、みんなお月様のお仕事なのだとか。夜空のお月様の姿が毎日違うように、絵本の可愛らしいお月様の顔もページごとにちょっと違うのがまた魅力的です。
月の存在が印象的な物語は沢山ありますが「月が2つある世界」を描いたのが『1Q84/B00K1』です。渋滞の高速道路の緊急避難用階段を降りて仕事に向かった青豆は何か世界の様子に違和感を持ちます。自分がいたはずの1984年とは何かが違うこの新しい世界を1Q84と呼ぶことに青豆は決めました。予備校講師の天吾は編集者との話し合いから、ふかえりという女子高校生が書いた「空気さなぎ」を書きなおすことを請け負います。夜空には、いつもの月の横に緑色の小ぶりな月が浮かぶ世界を生きる彼らの物語は、読み始めるとぐいぐいと引き込まれていきます。村上春樹の作品を一度も読んだことがなかった方がこれは面白かったと教えてくれました。まだお読みでなかった方は是非BOOK3まで一気にお読みください。 MCL編集部 (紀)
三冊堂167号 (2014/11/27)