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1970年の今日、公衆電話からの市内通話の料金が3分で10円になったことから、3分電話の日。それまでは1通話10円で、時間は無制限でした。
短編集に収められた『猪鹿蝶』は、電話のひとり語りのみで構成された物語。ー帯はね、蝦夷錦の金銀を抜いて、ブツブツの荒地にしたあとへ、モガルの色糸で、一重蔓小牡丹の紋をいたずらでもしたようにチラホラ散らしたという(本文より引用)―など、趣のある言葉と意表を突く内容とのバランス。そして、電話をかけた主人公ばかりではなく、電話相手の喜怒哀楽さえも伝わってくるのに面白味を感じる作品です。 MCL編集(そ)
今日の一冊4054(2024/01/30)