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1887年の今日、首相官邸で伊藤博文主催による仮面舞踏会が開催されました。
無個性な笑顔の仮面を付けることが義務化された世界。主人公の“ぼく”は、人と人の摩擦が無くなったことで幸福になったという世の中に、息苦しさを感じながらも仮面をつけて生活します。仮面のことで友人と言い合いをした日の帰り道、“ぼく”は公園のイチョウの木の下で、街から隠れるようにして仮面を外してしまう女の子を見かけます。反社会的な行為と分かりながらも、初めて同類に出会えたという気持ちに胸が高まる“ぼく”。あくる日、彼女と出会った公園へと足を向けます。本書に掲載されている『素顔同盟』が書かれたのは1988年。以前よりその状況がイメージし易いように思えるのは、何故でしょうか。 MCL編集部(そ)
今日の一冊3769(2023/04/20)