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パンの記念日。天保13(1842)年の旧暦4月12日に、伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍が軍用携帯食糧として乾パンを作った。これが日本で初めて焼かれたパンと言われていることに因んで。
画家・牧野伊三夫さんによる、流れるようなタッチと、登場人物の素朴で柔らかい表情が印象的な絵本。主人公は、昭和３９年製造の十円玉です。最初の場面は、パン屋のレジの中にいる十円玉。男がおいしそうなフランスパンを購入し、おつりとして男に渡された主人公の十円玉は、次々と別の人の手に渡り居場所を変えていきます。男の家に到着すると、妻が待っていて、一緒に食べる夕食のためにパンを買ったことが分かります。十円玉が渡されていく人々は、それぞれの何事もない日常を営んでいます。
何事もなく過ごせることや、大切な人と食べる食事が、幸せの象徴のように思える絵本です。 ＭＣＬ編集部（は）
今日の一冊3761（2023/04/12）
