2024年 (令和6年)
7月28日(日)
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 1914年のこの日、夏目漱石の代表作である「こゝろ」が朝日新聞で連載を開始しました。

 当時のタイトルは「心 先生の遺書」。もともとは「心」というタイトルで複数の短編を綴ったオムニバス形式の作品になる予定でしたが、その一作目として執筆した「先生の遺書」が想定以上に長引いたことから三部構成にして出版することになり、それが今日知られる「こゝろ」となりました。学生の「私」が海水浴に訪れた鎌倉で偶然出会った「先生」。妻と二人でひっそりと暮らす先生は、毎月、雑司ヶ谷の墓地に眠る友人への墓参りを欠かさない。自らを「淋しい人間」と語り、教訓めいた言葉をよく口にする先生に興味をひかれた私は、先生に過去の話を聞かせてほしいとせがむが…というのが、序盤のあらすじ。先生の衝撃的な過去が明かされる後半の一部分は教科書にも掲載されているので記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。発表から百年以上経った今も、多くの人の心に突き刺さる作品です。 MCL編集部(小)

今日の一冊2674 (2020/04/20)