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3月、別れの季節です。伊集院静のベストセラー大人の流儀の第3弾。別れて始まる人生がある、楽して得られるものなんてない、正義っぽいのを振りかざすな、本物の大人はこう考えるの4章からなるエッセイ集。別れることは、切なく苦しいことだ。時によっては非情にさえ思える。しかし私たちが生きていく上で、離別は避けてとおれるものではない。親しい人を失った時、もう歩き出せないほどの悲哀の中にいても、人はいつか再び歩き出すのである。その力こそが、生きる原動力であり、人間が持つ美しさでもある。サブタイトルの“別れる力”とは直接関係のない事柄も書かれていますが、妙に説得力のある一冊です。 (た)
今日の一冊0456号 (2014/03/18)