「変わり百物語」を聞き集めるあちかのもとを、ひどくやつれた男が訪ねてきて、話を聞いてほしいと懇願する。元差配だという男は妻を亡くし、娘を育てながら長屋を取り仕切っていた。そんな男の元に店子の看板屋夫婦が、彼らの育てている捨て子の末吉の様子がおかしいと相談に来る。男は一時末吉を預かることにしたのだが、その夜、看板屋一家は殺されてしまう。その事件は末吉を巡る惨劇の幕開けだった。