幕末の江戸。大川端の旅籠「かわせみ」の女主人・るいは、恋仲だった神林東吾と結ばれ夫婦になった。やがて一人娘の千春にも恵まれ、昔からの使用人であるお吉や嘉助たちと共に、満ち足りた日々を送っていたが、東吾が戊辰戦争へ出征し行方不明になってしまう。時は流れて明治。以前と変わらぬたたずまいの「かわせみ」で東吾の帰りを待つ日々を送るるいの元に、イギリス帰りの医師・神林麻太郎と親友の畝源太郎が、深手を負った若者・小林嶋次郎を担ぎこむ。そのことから、5年前にある事件を追っていた源太郎の父・源三郎が何者かに殺された事件が再び動き出し、一方東吾の消息を聞き及んだるいは心を揺らす…。

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