ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
「鏡よ、鏡、この世で一番美しいのは誰?」。鏡は決まって、こう答えます。「一番美しいのは、お妃様、あなたです」。ところが、ある夜、いつものように鏡に向かって、お妃が尋ねると、「お妃様よりも、白雪姫の方が美しい」と…。この言葉を聞いたお妃は、怒り狂い、おばあさんの格好をして、白雪姫に毒リンゴを食べさせるのです。リンゴをひとくちかじった途端、死んだように倒れてしまった白雪姫は…。誰もが知っているグリム童話のお話『しらゆきひめ』。自分よりも美しい人がこの世にいることが許せないお妃。「美」への執念は、本当に恐ろしいと感じます。鏡は、そんな醜い心も映し出してしまうのかもしれませんね。
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『ウツボカズラの夢』
母が病死し、父の再婚を受け入れられない未芙由は、親戚を頼って上京します。たどり着いた親戚はとても立派な家に住んでいてお金持ちの様子。ほかに行き場のない未芙由は「どうしてもここに住み続けさせてもらおう。どうしたら私は必要とされるのだろう。」と考えます。ここで幸せになるためには親戚一家の誰を味方にすれば良いのだろう…?
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