ジャンル分類と50音順の並べ方だけだと、本が孤独に見えることがあります。本を文脈でつないでみると、本と本がつながって、違う表情が見えてきます。なぜ、三冊かというと・・・
井上ひさしは「ニホン語日記」にこう書いています。『混沌たる時の流れを過去・現在・未来と三つに区切ると、時間が辛うじて秩序だったものになる。鮨屋の主人は自店のにぎりを「松・竹・梅」 に分け、鰻屋の亭主は自店の鰻丼を「特上・上・並」の三つに分けて、店の売り物のすべてを表す。混然としたものを一つで言ってはわけがわからない。二つで言っても据わりがわるい。三つに区分して言うと突然、構造が安定し、混然としたものの正体が見えてくる』
本と本 本はつながる。
本と人 本とつながる。
人と人 本でつながる。
さあ、「三冊堂」!開店のお時間です。
今年もたくさんの映画が公開されました。その中には本が原作になっているものも多く、映画と一緒に改めて注目されるようになった作品もたくさんあります。
タレントである黒柳徹子さんが執筆した『窓ぎわのトットちゃん』は自身の体験をもとにした自伝的物語です。幼少期に通っていたトモエ学園のユニークな教育のもと、のびとのびと成長していく著者自信と周りの姿が描かれた作品となっています。1981年に初版発行され、多くの言語で翻訳された本書が今年の12月ついに映画化!42年の時を経て、改めて注目されている1冊です。
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75歳にして生き方の方針を変えた著者が、日々思うこと、実践していることをありのままに綴った『75歳、油揚がある』。5年前の著作『70歳、これからは湯豆腐』では、これからはいろいろなことにこだわらず、淡白な人生を送るとしていましたが、5年の月日を経て、深く、濃く、しっかりと噛みしめた人生を過ごすという境地に至っています。棚から溢れるレコードやCDから、これは本当に素晴らしいと思う音楽に耳を傾ける。名画は二度、三度、四度見て深める。好きな町に通い、一杯かたむけながらその町が好きな理由を考える。自分が積み重ね身につけてきたものをすくい取ると、一本の糸に繋がっていくような気がします。
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