2024年 (令和6年)
4月19日(金)
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 黒谷七波が入社して初めての海外派遣先はナイジェリアでした。政府開発援助、ODAのからくりを知った開発コンサルタントの七波は、みずからその手を汚すことを決意します。脳裡にうかぶのは、金に困る両親の顔でした・・・。『天の方舟』は、ODAについてのくだりにも興味がそそられます。

 有名ブランドのバイヤーに抜擢された真昼。初めての買い付けに手応えを感じ、さらなる飛躍を胸に2度目のミラノへ向かった彼女に、思わぬ人生の選択肢が突き付けられて・・・。突きつけられる人生の選択肢。『ランウェイ』は、真昼、がんばれと声援をおくりながらページをめくってしまいます。
 国連難民高等弁務官と言う職名を初めて見聞きしたのは、以前、テレビや新聞で緒方貞子さんが紹介された時だったのは私だけではないかと思います。『共に生きるということ』では、国連難民高等弁務官、国際協力機構理事長として人道支援・復興支援の現場で難局を乗り越えてきた緒方貞子さんが、平和を築く「共存」の哲学、国際社会での日本の役割等を語ります。支援のために防弾チョッキとヘルメットを着けて現地へ飛び、悩みながらも迅速に数々の決断をしていく姿は本当にカッコイイ。活字も大きくて読みやすく、緒方貞子さん入門書としてもお読みいただけます。 (は)

三冊堂127号 (2014/02/06)