2018年(平成30年)
11月17日(土)
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 人間がその固有の歴史の出発点において最初に獲得した不思議で可能性に満ちた道具であり、人間の精神に関わる文化そのものを生み出した「ことば」。印刷という技術により書物や新聞を生み出し、今なお切り開かれるメディアの一つである「ケータイ」。ケータイというメディアを媒体に、「ことば」という道具の歴史と現在とを明らかにすることで、「ことば」が支えている人の思考力や想像力、感性や行為が直面している問題を掘り下げた『ケータイ化する日本語』。空気のような「ことば」について、よくよく考えるトリガーになります。

 ―情報は教養ではない―。「すでに知っていること」を取り出すことしかできない、トリヴィア・クイズに早押しで解答する「雑学」に対し、「まだ知らないこと」へフライングする能力であり、何かわからない「こと」でも、それを引き金とし「お話を一つ思い出す」という時間的な歴程をたどる運動が「教養」なのだそうです。漠然とした悩みを問題に変える教養の力について語る『知に働けば蔵が建つ』。同じことを飽きもせずに繰り返し言っている人は、「自分の中で他者が話しているのを聴いている」からなのだとか。その件について述べている章は興味深いです。 
 「孤高の詩人学者」と呼ばれた折口信夫。折口によると、奈良時代には、すでにその意味が不明になっているものが多かった枕詞が、それでもなお使われたのは、「しきたり」だからなのだそうです。12年間、遺影のある折口信夫の研究室で学びながらも反折口論的な論文を書き、時を経て肯定的な視点を持った著者が、等身大の折口に迫り綴った『魂の古代学』。枕詞を使うことによって、過去に生きた祖先と言葉のしきたりが共有され、祖先との間に絆が生まれるのだそうです。 MCL編集部(そ)

三冊堂347 (2018/05/10)

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