2024年 (令和6年)
4月25日(木)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 「うちの息子とキャッチボールをしたら、なかなかスジがいい」と言い放つ、野球やソフトボールの経験がない母親。そんな母親に立ち食いそば屋兼古本屋の店主・パオロが紹介した本は、有名選手を雇うお金がなかったメジャーリーグ球団アスレチックスが、いかにして無名の名選手を発掘し、お金を持っている球団と互角に戦えるようになったかを描いたノンフィクション、「マネー・ボール」。統計学によって導き出された、プロで通用するかしないかの差は、確実にフォアボールを選んで出塁できる”選球眼”を持つか否かで、それは持って生まれた才能なのだそうです。パオロが数々の難題をおすすめの本で解決する『世間を渡る読書術』
 3大会連続でホールインワン達成。ありえないように思える出来事でも、統計学者に言わせると、実はけっこう頻繁に起きているのだそうです。直感では理解しにくい統計的な考え方を、リテラシーとして身につけるためにと書かれた『「偶然」の統計学』。ゴルフの目的はホールインワンを達成することで、それを実現するために技術を磨こうと練習に勤しむゆえ、人によって達成率が異なりますが、その確率は約12,750分の1なのだとか。本を開くと一瞬のためらい。が、その後、何とか読み進めたいと思える内容です。
 15歳以下の割合が世界で最も少ない。国の歳入の不足額が世界で4番目に多い。観光客による収入のGDP(国内総生産)比が世界で下から2番目。いずれも日本を表す数字です。このような状態になった要因の一つは「過剰適応」で、明治維新によってモノだけではなく、ヒトも画一化されたことにあるようです。情報社会では多様性のある情報に価値があり、一見、情報社会の先進国に見えている日本はそれに乗り遅れていて、日本を再生するためには自国の文化に自信を持つ、「文化力」が必要なのだそうです。中長期を睨んだ構想そのものが求められているという認識の中で、新たな思考の鍵になる情報をオピニオンインタビューから届けたいという着想から生まれた『構想の庭』。 MCL編集部(そ)
 
三冊堂335 (2018/02/15)