2024年 (令和6年)
4月20日(土)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 長崎県の情緒障害児短期治療施設・大村椿の森学園には、壮絶な虐待からかろうじて生き延びてきた子どもたちが集まっています。『生存者(サバイバー)」と呼ばれる子どもたち』は、虐待により深く傷ついた子どもたちの悲劇と、そんな子どもたちの再生を願い寄り添う学園の苦闘を、事実に基づいて描いた一冊です。虐待は、戦争体験と変わりない特殊性をもつ地獄の体験で、虐待を受けた子ども達は、生涯、癒えることのない心の傷と闘っていかなければならないと著者は訴えます。

 性的虐待は、その密室性も手伝って、虐待の中でも見つけにくく対応の難しい虐待です。そして虐待を受けた子ども達の多くは、自分を恥ずかしい汚れた存在だと感じ誰にも相談できず孤立し苦しんでいます。『ねぇ、話してみて!』は、虐待の被害者である女の子が、同じ被害者を援助する目的で描いた絵本。性的な虐待を受けた女の子ジェシーが、勇気をもって両親に話したことをきっかけに、その苦悩とトラウマを乗り越えていく物語です。

 虐待の連鎖は問題だらけの親が原因だった…子どもの時に、不適切な養育を受け「育ちの傷(トラウマ)」を負ってしまった親は、自分の子どもに対しても不適切な養育を繰り返してしまうことが多いと統計的に証明されています。『親に壊された心の治し方』は、被虐待体験を持ちながら、現在は支援する側に回っている著者が、自らの再生につながった「認知行動療法」により、「育ちの傷(トラウマ)」で傷ついた心を癒し人生を好転させる方法を紹介しています。どんな家に生まれようと、人は生まれ変われると著者は訴えます。 MCL編集部(吾)

三冊堂321 (2017/11/09)