2024年 (令和6年)
4月17日(水)
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午前10:00から
午後 6:00まで

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 北海道のソラチという町で、ワイン作りにすべてをかける兄アオと、地に足をつけ麦を育てる弟ロク。そこに旅を続ける女性エリカがやってくる。「幸福」を大切にするエリカの生き方は、兄弟の静かな生活に新しい風を起こす。『ぶどうのなみだ』は生きていくために本当に大切なものは何かをみつけるヒューマンドラマ。様々な“なみだ”が心を捉えます。大泉洋がアオの役を演じています。

 東京の片すみ、、20年以上も古い木造一軒家に穏やかにつつましく一緒に暮らしている、小野寺進と小野寺より子の『小野寺の弟・小野寺の姉』。早くに両親を亡くした二人は、未だに独身。ある日、ふたりは、間違って配達された手紙を届けに行くことにするが…。引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉の、さえないけれど、ささやかな幸せが香る日常を描いた物語。舞台でも上演されたが、小野寺姉弟役は片桐はいりと向井理です。
 豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎(だんの しょうざぶろう)は、城内で刃傷沙汰を起こしたが、家老の温情で切腹を免れたものの、向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷(とだ しゅうこく)の監視を命じられる。秋谷は7年前、前藩主の側室と不義密通を犯した罪で、家譜編纂と10年後の切腹を命じられ、その日から日々の雑事や思いを『蜩ノ記』という日記に記しはじめる。庄三郎は秋谷の切腹の期日まで寝食を共にし、家譜の編纂を手伝いながら秋谷の誠実な人柄を目の当たりにするうちに、秋谷に敬愛の念を抱き、次第に秋谷の無実を確信するようになる。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説。秋谷役は役所広司、庄三郎役は岡田准一です。 MCL編集部 (敬昌)

三冊堂166号 (2014/11/20)