2024年 (令和6年)
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 道産子にとっては当たり前でも、道外の人からは変わった風習だと思われたりすることは多々あります。方言でいえば、ゴミは投げるではなく、捨てるものであるということを、自分も高校卒業後に知りました。それでは、道産子が気付いていない北海道のことを知ろう!そのためには北海道の歴史を学ぼうということで3冊を選んでみました。
 まずは、『北海道はじめて物語 北の大地の発祥と起源なんだわ!!』。巻頭の一部に「一軒屋に住んでいる人の家には、必ずといっていいほど、木彫りのクマの置物があった。」。確かに自分の家の玄関にも置いてありました、約30㎝もある真っ黒なヒグマの置物が・・・。この木彫りクマの発案者は、尾張徳川家第19代当主の徳川義親。スイスで購入したものを参考に、農場で働く人々やアイヌの人たちに収入源のない冬場の副業として勧めたのがきっかけだったそう。そのほか、建築物やグルメなど北海道を代表する物事の始まりを勉強してみましょう。

 次は、『図説北海道ふるさと早わかり』。北海道高校地理教育研究会∥編となっているとおり、学校で習った地理の北海道版といった内容です。出版年が1994年と古い資料になりますが、十勝農業の課題として、農家の高齢化と農業後継者不足による農地の荒廃や離農が問題となっているなど、20年たった今でも課題は変わっていません。このように当時と現在の状況を照らし合わせて読んでいくと、この20年間で社会がどのように変わったのかを知ることができます。
 最後は、『よみがえる北海道の鉄道・軌道 昭和20~50年代、C62から炭鉱鉄道までの完全記録』。旧国鉄からJRへの移行により不採算路線の廃止などで減ってしまった北海道の鉄道路線ですが、昭和の時代には国鉄以外にも多くの列車が走っていました。運行当時の写真に解説を加えた一冊ですが、実際にその当時の列車に乗っていなくても、今ある路線の上を昔はこんな列車が走っていたと思うと懐かしい気持ちになります。また、過去に道内各地に私鉄や炭鉱鉄道などがあったというのは、それを知らない世代にとっては驚きでもあります。
 歴史を学ぶことで現在とのつながりが理解できたり、今まで見てきたもの、食べてきたものを少し違った角度から楽しむことができたりすると思います。今回の3冊に限らず北海道の歴史を勉強して新たな発見をしてみませんか。 MCL編集部 (ちか)

三冊堂163号 (2014/10/30)