2024年 (令和6年)
4月24日(水)
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 科学にまつわる話をショート・ショート形式で綴る『科学歳時記一日一話』。1811年の5月15日は、同温、同圧、同体積の気体は、気体の種類によらず同数の分子を含むとする「アヴォガドロの法則」が発見された日で、科学や物質科学の基礎をなすそれが注目されたのは、アヴォガドロの亡き後なのだそう。幅広い分野からピックアップされたショートストーリーは、短いながらも探求心をくすぐります。

 水素に次いで軽い原子の「ヘリウム」は、1868年に太陽のコロナを観測していたイギリスの天文学者ロッキャーによって見つけられました。元素は必ずしも化学者が発見するとは限らないようです。『元素図鑑』は、あらゆるものはたった92の元素からできていて、それがどのように物体をつくっているかが書かれたいわば入門書。よく口にする炭酸ジュースは、単なる水と二酸化炭素を混ぜたものに香料と大量の砂糖を加えたもの。身の周りのものから知っていくと、元素も科学も身近に感じます。
 超高層ビルの建設が可能になったのは、堅く頑丈なスチールを作る方法が発見され、建物を上へ上へと伸ばすことが可能になったからなのだそう。人間は古来からより天高い建造物を築き上げるために試行錯誤を繰り返し、高さへの挑戦は技術力や経済力を誇示するためでもあったようです。『タワーの文化史』は、歴史上に存在した世界中のさまざまなタワーや高層建築物について、それらがつくられた起源から技術の進歩や社会・体制の変遷など、タワーを歴史の視点から綴った一冊。世界で最も高い建築物の象徴であるギザのピラミッドは、現代においても巨大建築や超高層建築のインスピレーションの源となっているのだとか。今もなお、古来からのタワーへの夢が引き継がれているのかもしれません。 MCL編集部(そ)

三冊堂139号 (2014/05/15)