斎藤 環∥著

自分を認めてもらいたい気持ちに過度にこだわるとき、人はさまざまな病理を露呈する。時代に明るい精神科医が思春期を解剖しつつ、精神医学へのささやかな抵抗を試みた医学論集。

内容:若者文化と思春期 . 終わりある物語と終わりなき承認 . 若者の気分とうつ病をめぐって . 「良い子」の挫折とひきこもり . サブカルチャー/ネットとのつきあい方 . 子どもから親への家庭内暴力 . 秋葉原事件 . 震災と「嘘つき」 . 「精神媒介者」であるために . Snap diagnosis事始め . 現代型うつ病は病気か . すべてが「うつ」になる . 悪い卵とシステム、あるいは解離性憤怒 . 「アイデンティティ」から「キャラ」へ . ミメーシスと身体性 . フランクルは誰にイエスと言ったのか . 早期介入プランへの控えめな懸念